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題詠2010鑑賞(032:苦)

「032:苦」(TB~182)。

032:苦(遥遥) (たんかのきりかた)
苦すぎて歯に詰めるなどできませんコートの中では平気なのって


星野しずる
歌人、5月12日生
題詠blog2008でデビューを果たすも途中リタイアした彼女は、今やこの世界で知らぬ人はいないほどにまでなりました。
今日も「しずる短歌」を回してみました。

君だけの水風船に愛されて十年前の謎を数えて(星野しずる)

星野しずるの短歌は、スクリプトにより自動生成されるものです。
作風は「二物衝撃」を基本とし、上の短歌のように「水風船」と「謎」のような異質な二つのことばを衝突させ、その融合もしくは分裂から生じるエネルギーを斬新なものとして読み手に感じさせるものです。
しかしながら、文法上のアルゴリズムはプログラミングされているにしても、使われている単語はあくまでも無作為に抽出されたことばの組合せに過ぎません。
短歌の読み手は、二物衝撃を楽しみつつも強引にでも意味を理解しようと頭をフル回転させる性質があるとのことで、その結果、平衡感覚を失った「しずる酔い」に陥ることがあるようです。
星野しずる生みの親の、佐々木あらら氏によれば、
「星野しずるの短歌をたくさん読んでいくと、何首かに一首、はっとさせられる短歌を見つけることができる。人間ではつくれないような新鮮な暗喩をつかったり、時には逆に、まるで人間がつくったかのような深淵な意味が読み取れてしまう短歌も出てくる。」
と、したうえで、
「まずはそのおもしろさを楽しんでほしい。その上で、人間の持つ「理解しようとしてしまう力」の潜在的な高さについて驚いたり、読み手依存型の創作の怖さに気づいたり、創造性がほんとうに発揮されねばならない場所とはどこなのか再考したりしていただければ幸いである。」
と書いています。

さて、前置きが長くなりましたが、遥遥さんの歌。
『苦すぎて歯に詰めるなどできませんコートの中では平気なのって』
お題の「苦」から、
①痛む虫歯に詰めた正露丸の「苦さ」
②「苦しくたって♪悲しくったって♪コートの中では平気なのT_T」というアニメ(アタックNo.1)の主題歌
を想起し、①と②とを、「って」により接続したものです。
出来上がった短歌は、鮎原こずえがムシバイキンを撃退するさまが眼に浮かぶものになりました。
これが二物衝撃ですが、上の句と下の句にはお題の「苦」という共通点があるのがベースにあって、あとは読み手の想像力に委ねられることになります。
「苦い」から、恋を思い浮かべる人もいれば、「歯に詰める」から、歯に衣を着せず詰問するさまに膨らませたり、「コート」で、少し肌寒い日にあのひとの春物のコートに包まれるわたしを妄想したり。
数千万人の題詠読者のなかで、虫歯に正露丸を詰めながらアタックNo.1のDVDを鑑賞している人がいるかもしれません。
これが、偶然かもしれませんが、「共感」というものだと思います。

私は小学校低学年の頃、自分でマンガを書いていました。
風邪を引いて学校を休んだある日、布団のなかで書いたマンガ、そこには唐突に頓服薬を飲んで「あ~ニガイ」と言っている人物の描写がありました。
そのマンガ本は今でも家にあって、小さい頃の娘に見せたら、どこが面白いか分からないマンガに「面白い、面白い。」を連発して読んでくれました。
遥遥さんの「032:苦」から、私はそのようなことを思い出していました。

私は、読み手依存の創作はそんなに怖いものではないと思います。
短歌で取り組む「冒険」には無限の可能性があり、日常打破やブレークスルーや郷愁などに繋がり得るものだと思っています。
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ありがとうございます

拙歌をとりあげていただきありがとうございました。自分の思っていたことをここまで正確に読んでいただけるのかと感激いたしました。さらに「共感」というそこまで具体化できていなかったイメージもいただきました。ありがとうございます。恥ずかしながら、星野しずるさんも知らなかったので、勉強になりました。

遥遥さん

こんにちは。
私にとって、"苦いクスリ"+"昭和のマンガ"は、のび太くんの机の引き出しを開ける鍵のようなものです。
そこからちょっと旅行に行ってきましたけど、土産話はありません(笑)
あまり大きな声では言えませんが、私が星野しずるの存在を知ったのは二週間ほど前です。
どこかの記事で紹介したくて、引用させてもらいました。
こちらこそ、ありがとうございますww
Secre

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関西在住。平日は北陸方面で単身赴任中。
息子は、父の影響で大の鉄道好き。
用事が無くても電車に乗る。

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