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題詠2009鑑賞(011:嫉妬~013:カタカナ)

「嫉妬」について、私は鈍いのであまり感じることがなく、作品を鑑賞するだけのために意識を高揚させるのもどうかと思ったのです。
それに加えて、前回の私の観賞記事の最後に、「短歌は一首だけを取り上げて鑑賞するものでもない」と書いてしまいました。
いろいろと考えた挙句、011~013の三首まとめて鑑賞してみようかと、
思いついてから早十日間(笑)

「011:嫉妬」(TB~196)。
「012:達」(TB~183)。
「013:カタカナ」(TB~180)。

「嫉妬」という感情は、短歌のお題としても、生きてゆくに当たって実践するにしても、たいへん難しいテーマだと思います。
また、「達」というお題。私は発想が貧困なので「友達」しか思い浮かばなかったのですが、この「友達」にしても、宿敵未満から恋人以上まで、たいへん守備範囲の広い単語だと思うのです。
そして、「カタカナ」に至っては、十人十色の「カタカナ」に持つイメージがあって、読み手泣かせのお題と言えるでしょう。

本日の記事では、私の心に三連発で響いた歌の一部を鑑賞したいと思います。


先ず、蓮野 唯さんの歌。
連続鑑賞するにはこの人の作品無しには語れないという、前回のお題も合わせて詠み込んでおられます。

蓮野 唯) (万象の奇夜)
『嫉妬する程には好きになってない言い聞かせてる夕暮れの街』
「夕暮れ」は、街灯に灯が点りはじめる時間帯でしょうか。そこで、あのひとと並んで歩いている人の顔は遠くて見えませんが、わたしはその場に立ち尽くします。
そんなに好きなわけじゃないと言い聞かせるわたし。
嫉妬なんかしていないと言い聞かせるわたし。
myself
でも、それが嫉妬であることを唯一知っている夕日は、その姿を膨張させながら静かに沈んでゆくのでした。

『しっと(嫉妬)りと口溶け甘い罠を張る乙女達は恋の狩人』
この「しっと」の使い方、最高です。あ、お題は「達」でしたねw
「乙女」を複数形にすることにより、すべての言葉の意味が広がりを見せて、やはりこの歌は「嫉妬」の歌なのだと思ってしまいましたw

『友達をトモダチと書く切なさよカタカナ程度に軽い関係 』
ほんとに「トモダチ」とカタカナで書くと切なくなりますね。
この歌は、言葉の選び方や並べ方がとても計算されていて面白くて、勉強になりました。
何度読み返しても、味わい甲斐のある歌ですw

蓮野 唯さんの三首、甘い、酸っぱい、ほろ苦い、牡蠣フライのような食後感で心が満たされました。
たいへん難しいお題であるにもかかわらず、いずれの歌も落ち着きを感じさせるものでした。
私は落ち着きが無いので、こういう歌は大好物です。


なんやかんやで始めた三首読み、早くも意識が朦朧としてきました。
そのようななか、三十一文字の中に答えが明示されていて、読後スッキリ、頭を悩ませることのない歌が目にとまりました。
mintoさんの作品です。

(minto) (@100@)
『デパートに購ひしチョコ嫉妬など練りこめたるか深き味はひ』
バレンタインデイ用のチョコレイトをデパートメントストアで買ってきて、自分用のものを食べてみたら材料に何を使っているのか思いのほか味わい深くて、いろんな想いの混ざった嫉妬もチョコのようなものであろうと思った。
『それとなく安心をせり友達の彼は好めるタイプと違ふ』
友達が付き合っている彼は私のタイプではなくて、友情を壊してまでも奪い取る必要はないので、ちょっと安心w
『ふりがなを付けたるときはカタカナに その恋叶ふと占はれたり』
この歌は、カタカナで振り仮名を付けることの必然性が下の句で驚くことに恋占いのお告げだったという、殺人事件の動機を探偵が明かすときの(発見の)面白さがあります。
この発想は凄いと思いますw

これらの歌をじっくり読んでみました。
先ず、「嫉妬」の歌。
第一印象と違う解釈がいくつかできました。
①自分は作るだけで貰えないチョコレート職人の嫉妬を詠んだ歌。
②デパートの地下食料品売り場の品物は、独特な香辛料などを使っているのか、高級感を売りにして少し高い単価設定である。(美味しいかどうかは別としてw)
③買ってきた板チョコを溶かしただけで手作りチョコと言いきれるのは、やっぱ愛情だわw
時節柄、バレンタインチョコを詠んだ歌なのでしょうが、歌のなかで「彼氏」のことを記述するのは「嫉妬」という言葉だけです。でも、彼氏から見れば「嫉妬」を貰ったとは夢にも思わず、ホワイトデイのお返しを探しにコンビニエンスストアに向かうことでしょう。

次に、「達」の歌。
この歌を読んだ3回目に、
「一緒に居て安心できる彼(友達扱い)は私がのめり込むタイプの男性ではないと思うので、腐れ縁的に友達関係を続けてきたし、これからも続けてゆくことができると思う(根拠無しw)」
と、解釈してしまいました。
でも、言葉の選び方から見れば、こちらのほうが合っているような気がしますし、未来も明るく感じるのです。

そして、「カタカナ」のお題。
この歌、とても好きです。
だいたい、そのような状況になることは無くて、そのような占い、無いでしょw
でも、私は信じやすいタイプなので、朝のテレビの占いコーナーが
「おひつじ座の人は今日、婚姻届にカタカナでルビを振るとその人と結ばれますw」
という結果だったら、自分が既婚者であるのも忘れて実行してしまうと思います。


さて、本日紹介する最後の歌人は木下奏さん。
ようやく題詠blog2009への参戦を表明されました。
お待ちしてましたw

木下奏) (ブログ・キ・カーデ - 木下奏 blog)
『「嫉妬する?」「ううん、しないよ」その言葉パズルゲームみたいなものだ』
『「私達きちんと息して生きている?」毎日呟くキミが正しい』
『カタカナが苦手なキミにひらがなで「あいしてる」と言う左脳のダンス』

木下奏さんは、ほぼ完成された感性の歌人だと思います。
彼女の歌には、意味が明確なものと意味が不明なものがあるのですが、いずれのものにしても意味は重要ではなくて、三十一文字に込められた「心」を感じ取る必要があると思うのです。
心の共有や心の受容を楽しむもので、これらの歌を不思議な世界と受け取った時点で読み手の負けになります。

今回の観賞記事では、011~013の三首を採り上げましたが、偶然三首とも対話形式をとっています。
でも、「わたし」と対話しているのは「キミ」ではなく、頭の中のホムンクルス(小人)なのです。
「ホムンクルス」は心理学の用語で、頭の中にはもう一人の自分(ホムンクルス)がいて、それが自分の思考や行動を監視したり、調節したりしているというものです。ホムンクルスを意識することにより、自分で自分の状態を客観的に見つめモニタリングすることが大切であると言われています。

「嫉妬」の歌。
本来とるに足りないものであるべき恋人たちの会話の題材に、両者のバランスを脅かす可能性のある「嫉妬」という単語を選んだ質問をしてしまったのです。
しかしながら勇者は臆することなく、宝物殿の扉を開けるキーワードを唱え、霧のダンジョンを見事クリアしたのです。
「しかし、お姫様はここにはいません」と、中に居たキノコが教えてくれるのでした。
人生楽しく生きるにはそれなりの機転が必要になる場合があって、ゲームクリアにはその積み重ねが大切なのだと思います。

「達」の歌。
まっとうに生きていることを毎日誰かに確かめたくなること、ありますよねw
とても前向きな、生きる勇気が溢れてくる歌です。

「カタカナ」の歌。
私は典型的な右脳人間なので、言語・算術・短期記憶を司る左脳をいちど踊らせてみたいものです。
でも、この歌では、私の右脳がちょっとだけ怪しいステップを踏みましたw

木下奏さんの短歌は、読んだ瞬間からとても心地良いものを感じます。
彼女の歌は、とても不思議な世界です。
あ、私の負けですww
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073:マスク(陸王)

「マスクマンだぞ~」ってわたしを笑わせる、けど、それ、ちょっと、マジ笑えない


ここ、笑う所ですw
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関西在住。平日は北陸方面で単身赴任中。
息子は、父の影響で大の鉄道好き。
用事が無くても電車に乗る。

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