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題詠2010選歌(091:旅 ~ 100:福)

091:旅(映子) (映子のブログ)
ありがとう ありがとうって云っておく  楽しかったよ アナタとの旅

092:烈(ふうせん) (575番地)
烈日の影ゆえ深く蝉が鳴くある秘め事を知り初めてから

093:全部(龍翔) (The Flying Dragon)
本当にきみの全部が好きだった。今では大嫌いだけれども。

094:底(橘 みちよ) (夜間飛行)
秘めごとは胸に怨みは腹の底に棲まはせ重ねゆく歳月を

095:黒(菅野さやか) (あの夏飛行機が落ちるまでずっと)
空港で「黒くなったね」そう言って私の肌に爪立てた人

096:交差(ひじり純子) (純情短歌)
矢印の向きいろいろに交差して 私の思い行方不明に

097:換(如月綾) (お気に召すまま)
君の「好き」を手に入れるための引換券 とっくに期限は切れていました

098:腕 (高松紗都子) (羽うさぎの日記帳)
利き腕のちがうあなたと手をつなぐ大事なものを持ちよるように

099:イコール(虫武一俊) (無足場ワンダーランド)
イコールの橋をかけてる職人が来なくて街に帆はすれ違う

100:福(すくすく) (すくすくと日々一首ずつ)
順番に題詠百首詠んだなら福が来るって聞いたのですが…
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題詠2010選歌(081:シェフ ~ 090:恐怖)

081:シェフ(久哲) (久哲の適当緑化計画。)
ひとりでも群れても白い印象のシェフを真夏の森にひたして

082:弾(西中眞二郎) (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
弾き終えし音の余韻を楽しむごとピアニスト暫し動かずにおり

083:孤独(まといなみ) (月のひかりの降る庭で)
ことごとく秋尽き果てて残る実の孤独がとてもゆかしいのです

084:千(穂ノ木芽央) (白紙委任状)
チケットはひとつのことば 僕たちの千秋楽ははじまつてゐる

085:訛(船坂圭之介) (kei's anex room)
懐かしき故郷の訛杳き日の口癖なりき「モウダチカンナ」

086:水たまり(龍庵) (ぶらつくらずべりい)
菊を水たまりに浮かべ花言葉変わっていくを見つめ続ける

087:麗(伊藤夏人) (やわらかいと納豆2010)
麗しい君がだまった瞬間の時の流れが一番恐い

088:マニキュア(富田林薫) (カツオくんは永遠の小学生。)
あてどない未来あなたに褒められる人差し指にマニュキアを塗る

089:泡(秋月あまね) (halcyon days)
少しでも気泡が入ってしまったら全てが否定された気になる

090:恐怖 (周凍) (混沌と言語)
汝がゆく恐怖にかたちとられたる吾てふ影のあをく揺れつつ

題詠2010選歌(071:褪 ~ 080:夜)

071:褪(香-キョウ-) (Sky on Blue)
「忘れない」 そう誓ったあの頃の写真と記憶色褪せて行く

072:コップ(眞露) (風の残像)
酔いたくて肴一品コップ酒満たされぬまままた夜が更ける

073:弁(新井蜜) (暗黒星雲)
弁当とポットを持つて雲に乗る夏のあなたに会ひたくなくて

074:あとがき(みぎわ) (たづたづし)
終はり方が曖昧だから丁寧にあとがきのやうな恋を仕掛ける

075:微(O.F.) (O.F.)
微熱つづく冬の雨の夜友人がインドの本を僕に貸し出す

076:スーパー(だったん) (だったんのブログ)
スーパーのレジで涙がとまらない君のメールの「好きだよ」のせい

077:対(コバライチ*キコ) (ペーパードリーム)
明日といふ対岸眺めゆるやかに落ちる夕陽を掌に乗す

078:指紋(五十嵐きよみ) (NOMA-IGAオペラ日記)
車窓越しに手と手を重ねたその後のガラスに残る互いの指紋

079:第(酒井景二朗) (F.S.D.)
酒を飮み次第に馬鹿になる僕に振つてくれるな詩の話など

080:夜(中村あけ海) (庶務課中村が承りました)
さっきから夜の海みたいなものを吐き出し続けている複合機

題詠2010選歌(061:奴 ~ 070:白衣)

061:奴(たざわよしなお) (世界を翻訳するための試み)
微細無数に奴凧のかたちして空昇るものあり酔ひた目に

062:ネクタイ(櫻井ひなた) (ひなごと☆24→25)
8ヶ月おねえさんだしちょっとだけ高いネクタイ買ってあげるね

063:仏(海音莉羽) (~鈴音~suzune)
喉仏ゆっくり動かし息を吐くその口その音忘れ難くて

064:ふたご(さくら♪) (さくら草紙 ~第参章~)
めぐり逢う遙か彼方の光もて互いに照らすふたご星かな

065:骨(内田かおり) (深い海から)
時使いし鰺フライにまだ小骨ありて夕餉に詫びておりし我なり

066:雛(中村梨々) (nasi-no-hibi)
ゆっくりと飲み込まれてく女の子 川面にゆれている流し雛

067:匿名(星桔梗) (風船がわれるまで Ⅲ)
匿名で届いた手紙に涙する見覚えのある懐かしき文字

068:怒(小林ちい) (ゆれる残像)
怒らせてみたい優しく撫でられるだけじゃくぼみは満たされなくて

069:島(村上きわみ) (北緯43度)
半島を産む夢をみる あのひとを春のひなたで折りたたみたい

070:白衣(子帆) (ことばのくに)
ふくりんきれはば八分にとぢつけてよろしく 白衣の少女がつくる巾着

題詠2010選歌(051:番号 ~ 060:漫画)

051:番号(蓮野 唯) (万象の奇夜)
一言を言うためだけに指先に恋を灯して番号を押す

052:婆(こゆり) (おかっぱ短歌)
お婆ちゃんにしてあげられなくてごめん、お母さん あたし幸せだから

053:ぽかん(壬生キヨム) (ぼくはこんなことが好き。)
もう一度ぽかんて顔を見たくって引っ張り出してきたメイド服

054:戯(今泉洋子) (sironeko)
熱燗にあたたまりゆく秋の夜は戯絵(ざれゑ)の兎にひとつ跳びする

055:アメリカ(みずき) (空)
アメリカへ発ちし刹那を降る雨の君を翳めり さよならの旅

056:枯(こなつ) (結い真柄(ゆいまがら))
今だけは泣いていいよと言ってみる枯れた心に待つBlue Bird

057:台所(ひぐらしひなつ) (エデンの廃園)
夜の台所でわらう いままでのすべてをうしなって沖へ出た

058:脳(駒沢直) (題詠blog参加用。)
脳内で君の言葉を再生しエンドルフィンの海で犬掻き

059:病(振戸りく) (夢のまた夢)
電車から降りて空でも眺めたら? 今日も月曜病のあなたへ

060:漫画(豆野ふく) (それゆけ!だいふくもち)
最後には意外な幸せ用意する4コマ漫画みたいなあなた

題詠2010選歌(041:鉛 ~ 050:虹)

041:鉛(白田にこ) (さようなら)
片足の鉛の兵隊抱きながら恋に落ちたいと口ずさむきみ

042:学者(わたつみいさな) (あした、たとえば雨でいいから)
哲学者みたいな理屈で諭されてイカれてるのは僕だけでいい

043:剥(はこべ) (梅の咲くころから)
封筒の源氏の切手剥がしおきいつの間にやら箱は二つ目

044:ペット(砂乃) (通過列車)
ピペットの先を咥えたまま「フキ」と言ったあなたにまばたき返す

045:群(さかいたつろう) (流星文庫)
寂しいと鳴く群れの人その中で最も小さい鳴き声のきみ

046:じゃんけん(月の魚) (銀色水槽)
じゃんけんで、と突き出す拳 頑なに君は何かを守ろうとする

047:蒸(飯田和馬) (短歌手控え~題詠blog用)
蜜蜂に蒸殺されゆく生き物の複眼に消えた入道雲

048:来世(伊倉ほたる) (ほたるノオト)
てのひらを重ね合わせるあなたとは来世の川でまためぐり会う

049:袋(牛 隆佑) (消燈グレゴリー)
ねえ可愛いでしょうと君が伊勢丹の紙袋から取り出す月夜

050:虹(南葦太) (「謙虚」という字を書けぬほど)
白銀の翼は穢れ虹色に鈍く光った キミは泣いてた

題詠2010選歌(031:SF ~ 040:レンズ)

031:SF(新田瑛) (新田瑛のブログ2)
「なに色にひかって見える?」とか何とかSFチックに声をかけてよ

032:苦(遥遥) (たんかのきりかた)
苦すぎて歯に詰めるなどできませんコートの中では平気なのって

033:みかん(木下奏) (ブログ・キ・カーデ - 木下奏 blog)
あの人はみかんの皮を丁寧に剥く人だから大丈夫だよ

034:孫(黒崎聡美) (ゆびおり短歌)
孫の手は西日のなかであおむけに呼吸をやめてしまったような

035:金(梅田啓子) (今日のうた)
過剰なるこころとからだを疎む日は金盞花となり空を見てゐる

036:正義(生田亜々子) (屏風と靴)
大勢が正義と叫んでいる正午三角錐の上でダンスを

037:奥(天鈿女聖) (うずめの花ビラ)
柔らかに包み込まれた青をした奥羽そだちを温めている

038:空耳(ほきいぬ) (カラフル★ダイアリーズ)
空耳に誘われ探す桜貝まだ足りないのと君の容積

039:怠(なゆら) (リッスン・トゥ・ハー)
「春子、まだ、7歳だから」おトイレ掃除を怠ける理由

040:レンズ(藤野唯) (Sugarmint)
焦点の長すぎるレンズ 遠ざかるあなたにピントが合ってさよなら

題詠2010選歌(021:狐 ~ 030:秤)

021:狐(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
こぶたぬききつねここぶたループするともだちだってしんじる狐

022:カレンダー(田中彼方) (簡単短歌「題詠だ」)
カレンダーを見ないで当てたら、してあげる。7月6日は、なんの記念日?

023:魂(理阿弥) (車止めピロー)
ダイエーの雑酒をもってなめらかな魂に替え一日ながらう

024:相撲(夏実麦太朗) (麦太朗の題詠短歌)
とんとととんトントン相撲名古屋場所紙だといってあなどるなかれ

025:環(リンダ) (題詠ブログ2010 ひなたdeリンダ)
我が街の環状線の終点は晶子が佇むリーガロイヤル

026:丸(草間 環) (前略草々)
丸ごとの愛を抱えて生きている今日は貴方の誕生日だね

027:そわそわ(陸王) (Always Walking with Yu)
そわそわ星生まれの君は百光年離れた僕に短期滞在

028:陰 (お気楽堂) (楽歌三昧)
紫陽花の根元の妙に濃い陰がひょいと動いて黒猫になる

029:利用(いさご) (アンダンテ)
ご利用の際はひとこと添えてから使ってください わたしのてのひら

030:秤(武藤里伽子) (りかこのキャラメル☆マキアート)
天秤に置きます「りかこ」「超イケメン」ぴたっと止まり春が来ました

題詠2010選歌(011:青 ~ 020:まぐれ)

011:青(野坂らいち) (のーずのーず)
どうしても綺麗なままで終われない青いソーダと白いクリーム

012:穏(市川周) (ミルミルを飲みながら)
穏やかな顔して請求12万(ビール2本と豆と太もも)

013:元気(冬鳥) (ことのはうた)
絵本のクマ、ハリネズミに会う かげろうを追いかけて池に落ちる。 元気で。

014:接(邑井りるる) (山茶花街道)
雨だね 君をくまなく被覆する接平面群になりたかったな

015:ガール(橘川えり) (給水塔)
ひと夏のガール・フレンド太陽へ六本指の手をふりかざす

016:館(山口朔子) (月乃屋)
ならせめてあなたの死んだあと記念館でも建てて館長になる

017:最近(音波) (短歌のなぎさ)
やさしさが尽きる気がして最近は祈りのようにバファリンを噛む

018:京(空音) (100の秘密)
京急で海辺の君の家に行くファソラシドレミ 風のハミング

019:押(綾瀬美沙緒) (みさをの短歌日記帳)
親指で 3のボタンを 三回と 2を二回押す それだけなのに

020:まぐれ(じゅじゅ。) (Sama-sama♪ ~題詠blog2010~)
つまぐれで染めにしきみのなまめかし小指はいづこ 夏のおもひで

題詠2010選歌(001:春 ~ 010:かけら)

001:春(じゃこ) (むしことば)
春が来たらしいぴょんぴょん飛び跳ねるあの子にばねを入れたのは誰

002:暇(月下  桜) (*月下  桜 の 世界*)
暇だから公園にあるびょんびょんに乗ったら案外はまってしまった

003:公園(海乃空色) (summersnow~題詠ブログ2010)
約束の十年後に公園であなたと出逢う涙がポロリ

004:疑(伊藤真也) (クラッシュボク)
疑問符の杖を人混みで振り回す「ほぉれ分かんなくなっておしまい」

005:乗(史之春風) (はちぶんめblog)
たぷんたぷたぽたぱとぷぷ(タンポポを乗せる仕事をさせてくだしあ)

006:サイン(行方祐美) (フーガのやうに)
サインなき手紙のやうな海のいろ肋骨の下がまた痛み出す

007:決 (斉藤そよ) (はなやかなみず)
草ばかり食んでいるから彼らには知るよしもない決別でした

008:南北(B子) (サンドイッチマンの憂鬱(2))
南北のない地図持って目印の「■←ミケネコ」たよりに君んちへ行く

009:菜(あかり) (言葉の花かご)
もしあたし菜々ちゃんなんて名だったら違う人生 でも君がいる

010:かけら(詩月めぐ) (かじられちゃったお月様)
まだ残る好きのかけらをかき集め君のかたちに戻したくなる

題詠2010鑑賞(040:レンズ)

「040:レンズ」(TB~166)。

私は1年のうち歌を詠むのは2月~4月ぐらいで、その2ヶ月余りで題詠Blogに投稿する百首を作っています。
12月と1月は会期外で何もすることは無く、残された期間はレンズを磨く仕事をしながら皆さまの作品を鑑賞しています。
それぞれのお題で私の心が最も振える歌を選び、てきとーな文章を添えて鑑賞記事が出来上がります。
そして、おひとり様一回限定として、次の選歌作業に入ります。
楽しい歌を読んだときには妄想が限りなく広がり、悲しい歌の時にはレンズを磨く手に力が入るのです。
メールの返事が来ないとか、心が離れて行ったとか、別れの言葉を聞かされた、などの歌を読むとき、一心不乱にレンズを磨きます。
私のこれまでの鑑賞記事の多くは、明るい歌を選んできました。
今の自分の気分に合う歌を選ぶと言いながら、実際は自分を誤魔化していただけなのです。
そのような自分にもう、疲れました。
レンズも磨き過ぎて薄くなり、焦点距離が長くなってしまいました。
本日の鑑賞は、「別れ」です。

040:レンズ(藤野唯) (Sugarmint)
焦点の長すぎるレンズ 遠ざかるあなたにピントが合ってさよなら

藤野唯さんは本日現在、「040:レンズ」までの歌を投稿されています。
この機会を逃すと来年まで鑑賞できないおそれがありましたので、選ばせてもらいました。
題詠2010の会期末まで44日。
seiさん、ふみまろさん、冥亭さん、ケンイチさん、A.Iさん、池田潤さん、やすまるさん、藤野唯さん、あと60首頑張ってくださいねw

題詠2010鑑賞(039:怠)

「039:怠」(TB~163)。

039:怠(なゆら) (リッスン・トゥ・ハー)
「春子、まだ、7歳だから」おトイレ掃除を怠ける理由

この歌、五・七・八・七です。
若しくは、読点[、]に一、二文字分の溜めの効果を持たせたのでしょうか。
あえて短くして童女の「言葉足らず」を表現しているのであれば、とても面白い歌だと言えます。
たしかに、この歌を五・七・五・七・七にしようと思っても、私の技量ではできませんでした。
どうしても春子さんの愛おしさが損なわれてしまうのです。
それほど完成度の高い歌だと思いました。

トイレには
それはそれはキレイな女神様がいるんやで
だから毎日キレイにしたら
女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで
      トイレの神様(植村花菜)より


11月14日の「川西まつり」に、植村花菜さんが出演されます。
「おかえり!」

題詠2010鑑賞(038:空耳)

「038:空耳」(TB~166)。

038:空耳(ほきいぬ) (カラフル★ダイアリーズ)
空耳に誘われ探す桜貝まだ足りないのと君の容積

空耳が聞こえた。
ことばではなくて、君が砂浜を歩いて見つけた桜貝を硝子の瓶に入れる音の。
僕も浜に出て、見つけた桜貝を瓶に入れていくけど、集まった貝殻は瓶の底に少しだけ。
たとえ金崎宮に舞う桜の花びらをすべて集めたとしても、君の瓶がいっぱいになることはないだろうに。


短歌は文学であるとともに音楽でもあるのです。
歌を声にして楽しむ人も数多くいます。
ほきいぬさんは関西言語圏にお住まいだと聞いておりますが、ちょっとこの歌を音読してもらいました。

空耳楽譜

どうです?
ハ短調の妙なる調べが心に響きます。
いにしえの都の歌人は、京ことばのイントネーションで歌を楽しんだのでしょうか?


JRや民鉄の多くの駅では、列車の発車時に発車メロディーがホームに流れます。
首都圏のJR東日本の発車メロディーは、現代的なアレンジの電子音楽ですが、メロディーの最後の音階が次第に下がって行って唐突に終わったり、不協和音で終わったり、半音下げて転調したような短調の和音で終わったりしていて、多くが聞いている人の不安をあおるような曲作りになっています。
続きはいったいどうなるんだみたいな、中途半端な曲です。
これは「もののあはれ」とか「郷愁」につながるのだと言う専門家もいるようですが。

陸王の題詠2010の百首を関西のイントネーションで読んだ場合、語尾のことばは、上り調子(↑)19首、同じ高さ(→)30首、下り調子(↓)51首で、語尾の下がる歌が圧倒的に多いことがわかります。
標準弁のイントネーションは基本的に関西弁とは逆になるので、上り調子の歌が多いことがわかります。
語尾の上昇は、「希望」や「躍動」のイメージで、語尾の下降は「不安」や「落ち着き」。
JR東日本の発車メロディーを聞いて関西人が懐かしい思いがするのは、長い間積み重ねられてきたものへの回帰なのではないでしょうか。
私は短歌を標準と関西のイントネーションで2回楽しんでいますが、それらはレコードのA面とB面のように、音楽的には異質のものなのです。

なお、本日の記事は思い付きによるものなので、内容については信用しないでくださいw

題詠2010鑑賞(037:奥)

「037:奥」(TB~162)。

037:奥(天鈿女聖) (うずめの花ビラ)
柔らかに包み込まれた青をした奥羽そだちを温めている

牛乳かいっ(笑)

天鈿女聖さんのご当地短歌には菜畑とか平群とかが出てきて、てっきり私の通学ルート沿線かと思っていたら、鶴橋や難波や心斎橋、京都駅八条口などが出てきた日には、やっぱり関西方面の人だと確信しましたが、能登やら駒込やイナガキ岬、果てには山形の鈴木さんが登場し、しっかり「奥羽そだち牛乳」を納得したのでしたw

ぼくの彼女は山形出身、今日は鮮やかなブルーのセーターを着ている。
彼女は可愛くて、抱きしめると柔らかい温もりを感じてぼくは幸せになる。

題詠2010鑑賞(036:正義)

「036:正義」(TB~164)。

036:正義(生田亜々子) (屏風と靴)
大勢が正義と叫んでいる正午三角錐の上でダンスを

家事から一時的に解放された昼食時になにげなく点けたテレビの国会中継は、茶番を演じる議員達が例によって自分勝手なことをしていた?
踊る大捜査線THE・MOVIE2で青島刑事が日中のレインボーブリッジを封鎖できないと言いながら涙目をしていた??
・・・・
私には生田亜々子さんの歌を鑑賞してまともな記事にする力量はありませんが、本日は生田短歌の入り口だけ少し覗かせてもらうことにします。
生田さんの題詠blog2010の投稿作品から、私の好きな7首を選んでみました。

五年前から最近が続いている同じ映画を見続けている(017:最近)
お相撲が大好きなんて嘘ついた鳩からもらったオリーブの枝(024:相撲)
牙のある女雛朝陽に包まれて三平方の定理を曲解(066:雛)
陶酔と憐憫の差がどれほどでも関係無くてマニキュアの指(088:マニキュア)
ポジ画よりネガにあなたの本当が見える気がする黒い目と口(095:黒)
イコールで話が終わるものばかり手元に置いてカーワーイーイー(099:イコール)
幸福を見つけるシャベルが錆びついて根元が黒くなった金髪(100:福)

百首すべてが独特の世界観を持っていて、私には到底詠むことのできない素晴らしい歌ばかりでした。
あまりに高尚で、あまりにも深遠過ぎて、意味が少しだけわかった気がしたのは「100:福」の歌ぐらいです。
なんだか独自の手法がありそうです。

生田さんの百首を読むと、短歌から意味を推測することにより作者と心を共有するのは、あまり意味の無いことのように思えました。
基本となる物語があるにしても、それは言葉を入替えられたり隠されたりしているのではないでしょうか。

「大勢が」、「正義と叫んでいる」、「正午」、「三角錐の上で」、「ダンスを」
これらのことばは、
(安定)、(安定、拘束感)、(安定、解放感)、(不安定)、(躍動感)
であって、、
〔安定〕と〔不安定〕、〔拘束〕と〔解放〕と〔躍動〕、
これらの組合せの面白さだけを読み手に感じさせるように、ことばが選ばれているようです。
お題の「正義」を「人間として当然に正しいことの実行」として、現実はあまりにも不安定な足場のうえで踊っているに過ぎないという風刺を歌に込めたのです。
これが生田メソッドです。
って、ほんまかいな(笑)


私(陸王)の短歌の作り方について考えてみました。
陸王の2年前の作品、097:訴(陸王)
『訴えるその目がぼくをひきとめるだからかいかえるのはまだ先』
最初は、数年前にこの世を去った先代のポメラニアンの、真っ直ぐに私を見るその大きな黒い目を懐かしんで、楽しかった思い出を詠もうとしました。
でも、それだけでは悲しい歌にしかならなかったので、先代の目が僕を引き止めて犬を「飼い換える」のはまだ早いとし、愛着のある欠けた食器などがまだ使って欲しいと引き止めて「買い替える」のがまだ先ともとれるようにしました。
あわせて、スナックなどに飲みに行って、店の女の子の眼がまだ帰らないでと訴えている状況で、「だからかい?帰るのはまだ先」と読めるようにしてみました。
出き上った歌には、楽しかった思い出を入れることができました。

2年前は短歌の勉強を始めた頃で、お題から物語を想起し、それにいくつかの意味を含ませるとともに本音を隠すことが、味わい深い短歌だと勘違いしていました。
以降の私は、ひとつの歌に2つ~4つの心の震えを入れて、部分的な解説を添えて公開してきましたが、ひとつの短歌にいくつかの意味を封じ込めても、読む人にそんなに伝わるものではないようです。
陸王の「097:訴」の歌でも、「目」が玩具屋さんにおける子どもの目かなと思ってしまったらその時点で、もう意味は分からなくなります。
生田さんの短歌を読んで、短歌は斬新な比喩や新鮮な驚きを楽しむものであって、私の短歌は、計算が過ぎて理屈っぽいのではないかと気付いたのです。

来年の陸王短歌の方向性が少し見えてきました。
生田さん、ありがとうございましたww

題詠2010鑑賞(035:金)

「035:金」(TB~168)。

035:金(梅田啓子) (今日のうた)
過剰なるこころとからだを疎む日は金盞花となり空を見てゐる

あまりにも想い焦がれている我が身と心が疎ましくて、野に咲くキンセンカが空を見上げているように今日はあなたのことを遠くからただ見ているのだ。

"金盞花"ってこういう字を書くんだと思ってヤホゥでググってみました。
そこにはキンセンカの神話が書かれていました。

キンセンカ(花言葉:悲しみ)
シシリア島に住むクリムノンという、太陽神アポロンを大変崇拝している少年がいました。アポロンが日輪の馬車に乗り大空を駆けてる昼はとても幸せな気持ちでいられます、日が沈み夜になるとアポロンの姿は無く、とても悲しい気持ちになっていました。こんなクリムノンの毎日をアポロンもいつしか知ることとなり、愛情が芽生えたのです。
こうしてクリムノンもアポロンも幸せな日々を過ごしていました、面白く無いのは嫉妬深い雲の神です、一計を案じた雲の神は8日間も雲で覆いアポロンを雲の中に閉じ込めました、クリムノンにとって耐え難い8日間だったのです、9日目にアポロンが姿を現した時には、クリムノンはアポロンを待ち焦がれ、悲しみに耐えかね死んでいたのです。このやせ衰えたクリムノンの姿をアポロンは、キンセンカの花に変え二人の愛のしるしにしたのです。
だから今でもキンセンカは太陽に向って咲くのだそうです。
〔出典:花とギリシア神話


次に私の心に浮かんだのは、松任谷由美の「ひこうき雲」のメロディーでした。
『あの子は死ぬ前も空を見ていたの … けれど幸せ … 空に憧れて 空を駆けてゆく あの子の命はひこうき雲』

私は四月の沼辺に座り、空を見上げて泣きたくなりました。

梅田啓子さんは自ブログ(今日のうた)のなかで、この歌の見直しをされています。
『過剰なるわれ疎む日は金盞花となりて四月の空を見てゐる(推敲)』
『過剰なるわれ疎む日は金盞花となりて沼辺の空を見てゐる(推々敲)』
題詠Blogの公式ルールでは、基本的に歌の書き直し(再投稿)は認められていませんので、最初に投稿(トラックバック)した歌はいつまでも残ることになります。
推敲前の短歌を鑑賞することは作者に対して失礼にあたることかもしれませんが、梅田啓子さんがあまりにも情熱的な恋の歌を詠んでおられたので、つい(笑)
いずれの歌も、素敵ですw

題詠2010鑑賞(034:孫)

「034:孫」(TB~173)。

034:孫(黒崎聡美) (ゆびおり短歌)
孫の手は西日のなかであおむけに呼吸をやめてしまったような

昨今、ネット上における診断や占いが流行しています。
うろついていたら「短歌成分解析」というものを見つけました。
本来は、名前等を入力して占うもののようですが、本日は黒崎聡美さんの歌をこれにかけてみました。
結果は、
『孫の手は西日のなかであおむけに呼吸をやめてしまったような』の、
 86%は着色料で出来ています
  9%は山中智恵子のデジタル時計で出来ています
  3%は荻原裕幸のBOMB!で出来ています
  2%は斉藤斎藤のわたしで出来ています
と、いうものでした。

私はこれまでに、五感のうちの聴覚、嗅覚、味覚、触覚を通じて心に訴える短歌について鑑賞記事を書いてきました。
黒崎聡美さんの「034:孫」の歌は成分分析の結果、ビジュアル系短歌であることが判明しました。
視覚系の短歌とは、例えば静物や風景の絵があって、その絵を構成するパーツを三十一文字で述べるものだと言えます。
これが実は、鑑賞家を泣かせる(笑)

画家は、伝えたいものを考えて計算したうえで絵を描きます。
しかしながら、観る方には無限の感じとり方があって、作者の意向に沿わない解釈もあって当然で、著名な評論家の意見に画一化される必要はなく、意見を否定される必要もありません。
視覚重視の短歌もおなじことで、鑑賞記事には向かないのですが、読み手にしてみれば風景が目の前に浮かんで無限にひとりあそびができる、それは楽しい世界なのです。

西日は、「日没前1時間程度の時間帯」、「赤系の色」、「一日の最後に輝く光」、「無遠慮な熱」、「その後の静寂」など、いろいろなものにイメージできます。
西日をどうイメージするかによって、「呼吸をやめる」の解釈が変わってきます。
西日を「熱」としてみました。

リビングの床に放置された孫の手に夏の西日が直射している。孫の手は炭火に焙られたイカのように先端を上方に湾曲させ、そのまま硬直している。あたかも呼吸をやめたかのように、まるく、かたく。

なお、『リビングの太陽の照る床のうえ孫の手一本転がっている』のような「視覚だけの短歌」は、「視覚重視の短歌」とは全く違うものです。

題詠2010鑑賞(033:みかん)

「033:みかん」(TB~180)。

033:みかん(木下奏) (ブログ・キ・カーデ - 木下奏 blog)
あの人はみかんの皮を丁寧に剥く人だから大丈夫だよ


む・・・無責任な(笑)

その人が、几帳面でちょっと変わったタイプのA型・水がめ座男性ならまだいいと思います。
俳優の高倉健さんがこのタイプですが、彼はイチゴのショートケーキが大好物で、食べる時にショートケーキに巻いてある透明シートを外し、シートに付着したクリームをフォークで掬い取り、綺麗になったシートをくるくると巻いたうえでケーキ本体をとても美味しそうに食べるのだそうです。
ちなみに私(陸王)はO型・牡羊座ですが、ケーキの透明シートはくるくる巻きにします。

ところが、その人が几帳面で几帳面なA型・乙女座だった場合、相性によっては大変なことになります。
潔癖で神経質なまでに仕事を誠実に遂行しますが、自分に厳しく、相手にも厳しさを要求します。
みかんの皮を乱暴に剥く人を見かけたら、つい一言が出てしまうのだそうです。
別れた理由が「みかんの皮が許せませんでした。」なんて、短歌の世界にありがちな話です。

なお、みかんをとても美味しそうに食べる人に悪い人はいません・・・という無責任発言をしてみるw

題詠2010鑑賞(032:苦)

「032:苦」(TB~182)。

032:苦(遥遥) (たんかのきりかた)
苦すぎて歯に詰めるなどできませんコートの中では平気なのって


星野しずる
歌人、5月12日生
題詠blog2008でデビューを果たすも途中リタイアした彼女は、今やこの世界で知らぬ人はいないほどにまでなりました。
今日も「しずる短歌」を回してみました。

君だけの水風船に愛されて十年前の謎を数えて(星野しずる)

星野しずるの短歌は、スクリプトにより自動生成されるものです。
作風は「二物衝撃」を基本とし、上の短歌のように「水風船」と「謎」のような異質な二つのことばを衝突させ、その融合もしくは分裂から生じるエネルギーを斬新なものとして読み手に感じさせるものです。
しかしながら、文法上のアルゴリズムはプログラミングされているにしても、使われている単語はあくまでも無作為に抽出されたことばの組合せに過ぎません。
短歌の読み手は、二物衝撃を楽しみつつも強引にでも意味を理解しようと頭をフル回転させる性質があるとのことで、その結果、平衡感覚を失った「しずる酔い」に陥ることがあるようです。
星野しずる生みの親の、佐々木あらら氏によれば、
「星野しずるの短歌をたくさん読んでいくと、何首かに一首、はっとさせられる短歌を見つけることができる。人間ではつくれないような新鮮な暗喩をつかったり、時には逆に、まるで人間がつくったかのような深淵な意味が読み取れてしまう短歌も出てくる。」
と、したうえで、
「まずはそのおもしろさを楽しんでほしい。その上で、人間の持つ「理解しようとしてしまう力」の潜在的な高さについて驚いたり、読み手依存型の創作の怖さに気づいたり、創造性がほんとうに発揮されねばならない場所とはどこなのか再考したりしていただければ幸いである。」
と書いています。

さて、前置きが長くなりましたが、遥遥さんの歌。
『苦すぎて歯に詰めるなどできませんコートの中では平気なのって』
お題の「苦」から、
①痛む虫歯に詰めた正露丸の「苦さ」
②「苦しくたって♪悲しくったって♪コートの中では平気なのT_T」というアニメ(アタックNo.1)の主題歌
を想起し、①と②とを、「って」により接続したものです。
出来上がった短歌は、鮎原こずえがムシバイキンを撃退するさまが眼に浮かぶものになりました。
これが二物衝撃ですが、上の句と下の句にはお題の「苦」という共通点があるのがベースにあって、あとは読み手の想像力に委ねられることになります。
「苦い」から、恋を思い浮かべる人もいれば、「歯に詰める」から、歯に衣を着せず詰問するさまに膨らませたり、「コート」で、少し肌寒い日にあのひとの春物のコートに包まれるわたしを妄想したり。
数千万人の題詠読者のなかで、虫歯に正露丸を詰めながらアタックNo.1のDVDを鑑賞している人がいるかもしれません。
これが、偶然かもしれませんが、「共感」というものだと思います。

私は小学校低学年の頃、自分でマンガを書いていました。
風邪を引いて学校を休んだある日、布団のなかで書いたマンガ、そこには唐突に頓服薬を飲んで「あ~ニガイ」と言っている人物の描写がありました。
そのマンガ本は今でも家にあって、小さい頃の娘に見せたら、どこが面白いか分からないマンガに「面白い、面白い。」を連発して読んでくれました。
遥遥さんの「032:苦」から、私はそのようなことを思い出していました。

私は、読み手依存の創作はそんなに怖いものではないと思います。
短歌で取り組む「冒険」には無限の可能性があり、日常打破やブレークスルーや郷愁などに繋がり得るものだと思っています。

題詠2010鑑賞(031:SF)

「031:SF」(TB~179)。

031:SF(新田瑛) (新田瑛のブログ2)
「なに色にひかって見える?」とか何とかSFチックに声をかけてよ

「let mInDu'Daj; Separmey rur.」(きみの瞳はセパルのように美しく光って見える。 ※セパル : クリンゴンの星に産出する宝石
「あら、嘘でも嬉しいわw。」
「yuDHa'ghach QaQ law' Hoch QaQ puS.」(決して嘘であるものか。僕は君の前では正直者の子兎になっているんだ。)
「少しひねたウサギさんね。でも、あなた、クリンゴン語が上手なのね。」
「tlhIngan maH.」(ワレワレハ、クリンゴンダ。)
「そんな、咽喉を手でたたかなくても(笑)」
「mu'tay'wIjDaq DuHHa' 'e' Hechbogh mu' tu'lu'be'.」(僕は一介の兎かもしれないけど、君のためならたとえ火の中水の中、エンタープライズ号の中だって飛びこんでみせる。)
「ありがとうw。あなたって、たのもしいわww」
「nIteb maHtaHbe'.」(僕たちは一人では無いんだから。)
「でも、少し心配事が・・・」
「rojna' tu'lu'be' yIntaHvIS.」(そう。カークが生きている限り、この世に平和が訪れることは無いんだ。)
「SoHDaq HoS'e' tu'lu'jaj.」(僕は来週からしばらく戦いに出ることになって、しばらく会えなくなると思うけど、君は強く生きていかなければならない。)
「わかった。がんばって宇宙の平和を守ってね、あなた。」
「Qo'noS」(愛してる。)

題詠2010鑑賞(030:秤)

「030:秤」(TB~177)。

030:秤(武藤里伽子) (りかこのキャラメル☆マキアート)
天秤に置きます「りかこ」「超イケメン」ぴたっと止まり春が来ました

この歌、好きです。
おしあわせにww

題詠2010鑑賞(029:利用)

「029:利用」(TB~183)。

029:利用(いさご) (アンダンテ)
ご利用の際はひとこと添えてから使ってください わたしのてのひら

あたたかさを感じとることができる 大好きな歌です。
これまで数千首鑑賞してきたなかで、いちばんかもしれません。
下手な鑑賞記事は書けませんww
ありがとうございました。

題詠2010鑑賞(028:陰)

「028:陰」(TB~189)。

028:陰 (お気楽堂) (楽歌三昧)
紫陽花の根元の妙に濃い陰がひょいと動いて黒猫になる
ヒントはこの俳句
黒猫は黒のかたまり麦の秋 坪内稔典 / (参照:増殖する俳句歳時記

アジサイの花は、緑⇒白⇒青⇒紫⇒赤 などのように淡く色を変えて行くことから、花言葉は「移り気」とされています。
お気楽堂さんの歌では、アジサイのひと雨ごとに変わる色の陰から、急に黒が飛び出してきたことの驚きと、命の発見への驚きが表現されています。
後になって考えれば、そういえば陰(影)が妙に濃かったなぁと思わせます。
ヒントは示されていたので、そんなに驚くことは無かったんだと。

「028:陰」の歌たちを読んでいると、「陰」という漢字が含まれているだけで少し暗い気持ちになっていました。
でもこの歌では、帽子から鳩が出てくるような、なんだか楽しい気分に浸ることができました。
「ひょい」の使い方が絶妙でしたw

題詠2010鑑賞(027:そわそわ)

「027:そわそわ」(TB~187)。

027:そわそわ(陸王) (Always Walking with Yu)
そわそわ星生まれの君は百光年離れた僕に短期滞在

そわそわ星は、僕の住む星から百光年離れたところにあります。
星の名前は「そわそわ星」ですが、そわそわ星人が常に落ち着きが無いのかおっとりしているのかは、それは私にもわかりません。
この歌では、気が短いのか、百年なのか、90日なのか、時間軸の伸び縮みをお楽しみください。
ふたりの間の距離もそわそわと伸縮するのでしょうか。

そもそも、「そわそわ」ということばはあまりにも個性が強すぎて、「気持ちや態度が落ち着かないさま」でしか詠みようがありません。
読み手の想像力の広がりを阻害してしまうのです。
あまのじゃくな私は、固有名詞として使ってみました。
「027:そわそわ」に投稿された歌の多くは、本来の意味で「そわそわ」を使っていましたが、そのなかで面白い歌がありました。

027:そわそわ(草間 環) (前略草々)
ウタマロ石鹸も無水鍋もそわそわしているいつか会おうねきっと

ウタマロ石鹸や無水鍋は、そわそわなんてしません。
そわそわしているのは、通販カタログを見ている"わたし"の、ウタマロ石鹸や無水鍋やまだ見ぬ君に寄せる想いなのです。
言葉としての我が強い「そわそわ」を詠み込むには、これぐらいの冒険をして初めて心を打つ歌ができあがるのですねw

草間 環さんの歌は、昨日、作者の意向を度外視して私物化してしまったという経緯があります。
お詫びと言ってはなんですが、本日も紹介させていただきました。
素敵な歌、ありがとうございます。

題詠2010鑑賞(026:丸)

「026:丸」(TB~190)。

026:丸(草間 環) (前略草々)
丸ごとの愛を抱えて生きている今日は貴方の誕生日だね

9月27日生まれのひと
ルイ13世(1601)、
遠山金四郎景元(1793)、
宇野重吉(1914)、
大杉漣(1951)、
アンディ・ラウ(1961)、
岸谷五朗(1964)、
羽生善治(1970)、
八嶋智人(1970)、
朝青龍明徳(1980)、
そして、おそらく、きみ。

題詠2010鑑賞(025:環)

「025:環」(TB~189)。

025:環(リンダ) (題詠ブログ2010 ひなたdeリンダ)
我が街の環状線の終点は晶子が佇むリーガロイヤル

題詠blog2010の鑑賞記事も、皆様の声援のおかげでこのほど25回目を迎えました。
この場を借りてお礼申し上げます。
ここまで、短歌は謎解きでは無いと言いながら、多くの鑑賞記事が迷探偵コナンよろしく鬼の首を取ったようなおかしな解釈で、私の薄っぺらさを露呈しているところです。
こんなのではなくて、歌を読んで感動したことを素直に記事にできればいいのにと思っています。
思っているんだけど、リンダさんの「025:環」のような歌に出合うと、迷探偵のDNAが騒ぐのですww


誘拐された「晶子」は何処に?
ヒントは、"環状線"、"終点"、"リーガロイヤル"。
おそらくリ-ガロイヤルホテルの一室に監禁されているんだろうけど、終点の無いものとしての環状線の終点って、一体・・・

調査の結果、新事実を発見しました。
Wiki.によれば、「山手線」の起点は品川駅、「大阪環状線」の起点は大阪駅と、無限ループと思われた環状線にも起点・終点があったのです。
つまり、環状鉄道の起点・終点に近いところにあるリーガロイヤルホテルで「晶子」は救出を待っているに違いありません。

我々は、ホテルを特定する作業を始めました。
リーガロイヤルホテル東京の場合は、山手線の最寄り駅は高田馬場駅なので、品川駅からは離れ過ぎているし、、、
その結果、全国のリーガロイヤルホテルのうち、環状鉄道の終点駅に近いのはリーガロイヤルホテル大阪だけであることが分かりました。
早速ホテルへ行って、フロントで聞き込みだっ。

捜査員がホテルの部屋を開けると、そこには「晶子」が佇んでいました(笑)
(晶子)「あ~ら、警察のかた? あのチラシを見ていらしたの? 今度はもっと楽な格好で来てちょうだいね。」

----------------

大阪府は1960年代から、内環状線(豊中市~大阪市住之江区)、中央環状線(堺市~池田市)、外環状線(池田市~泉佐野市)の、三線の環状軸道を整備しました。
中央環状線の終点(厳密にいえば起点)には、「リーガロイヤルホテル堺」があり、ホテルの前には歌人 与謝野晶子さんの像が佇んでいます。

海こひし潮の遠鳴りかぞへつつ少女となりし父母の家(与謝野晶子)

題詠2010鑑賞(024:相撲)

「024:相撲」(TB~193)。

024:相撲(夏実麦太朗) (麦太朗の題詠短歌)
とんとととんトントン相撲名古屋場所紙だといってあなどるなかれ

「024:相撲」のお題からは、2月の段階で名古屋場所の波乱を予測していた夏実麦太朗さんの歌です。
麦太朗さんからも陸王の七首を選んでもらいました。
遅くなりましたが、お返しとして麦太朗さんの七首を選びましたw。

目に見えるものの全てを疑えば空がぱっくり割れたりもする(004:疑)
丸のなか塗りたくなっちゃう症候群6890見ればうきたつ(026:丸)
純米の清酒のなかにさまよえる金きらきらをわれは憎めり(035:金)
美樹ちゃんのコンタクトレンズを捜すためゆけよプールへ三年男子(040:レンズ)
六階の湯湯婆売り場の湯湯婆の栓のゆるみを憂う冬の日(052:婆)
あまがさに弾ける水はかろやかに貼りつく水はしとやかになれ(082:弾)
千年ののちを想えば夜は更ける明日を想えば明日になりぬる(084:千)

題詠2010鑑賞(023:魂)

「023:魂」(TB~194)。

023:魂(理阿弥) (車止めピロー)
ダイエーの雑酒をもってなめらかな魂に替え一日ながらう

題詠blogに投稿されたさまざまな短歌を読むことによって心が洗われている私の一日は有意義なものである

ということで、鑑賞記事を書くために毎度二百首もの短歌をじっくり読むのは大変な作業なのですが、じつは、とても楽しいのですw
理阿弥さんは、題詠blogを完走された方の百首から五首を選び、鑑賞されています。
以前、私の作品も記事にしていただいたのですが、本日はそのお礼を兼ねて、私の心を鷲掴みにした理阿弥さんの七首を紹介します。

Vサインおどる写真を見納める丁寧に丁寧にマッチ擦る(006:サイン)
両脇に手を挟みぎゅと胸を抱く寒くないのに最近はいつも(017:最近)
暮れの春トロット習う子狐ら黒靴下の二匹三匹(021:狐)
きゑゆけるけもののけものひとをくひひとにくはれて正義をわらへ(036:正義)
八月のペットボトルの汗ばみを真似たふくらな二の腕を噛む(044:ペット)
ポケットへ牛に喰わせる磁石入れ白衣の兄が往診にゆく(070:白衣)
いまここに泡立ちながら流れてる 聞きながら眠ろう あなたの血(089:泡)

題詠2010鑑賞(022:カレンダー)

「022:カレンダー」(TB~194)。

022:カレンダー(田中彼方) (簡単短歌「題詠だ」)
「カレンダーを見ないで当てたら、してあげる。
7月6日は、なんの記念日?」



「6日はサラダにしてくださいねw」

かへし歌
『明晩の牽牛のため精をつけ 7月6日はカルビ記念日』
               〔題詠2009 030:牛(陸王)〕

題詠2010鑑賞(021:狐)

「021:狐」(TB~207)。

021:狐(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
こぶたぬききつねここぶたループするともだちだってしんじる狐

〔二番〕
ブーブーポンポコポンコンコニャンとなく鳴き声じゃない狸が抜けた

〔三番〕
豚だけが食べもの見つけられなくて焚火のなかに身を投げ入れた

〔四番〕
あそびうた最後にうたう「おしまい」にもうともだちを忘れる二匹


蛇足ですが、〔三番〕は「月の兎」のパクリですw
本日、中秋の名月。
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息子は、父の影響で大の鉄道好き。
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